皆さんこんにちは!
コインランドリーで大赤字を連発しているアイン@コインランドリー大家です。
私のコインランドリー経営2年間の記事を見ていただいて、コインランドリー経営の恐ろしさ、不安定さが伝わったと思います。
えっ!?
伝わってない!????
「それはお前が勉強不足で経営判断が悪かっただけで、ちゃんと経営して利益を出している経営者もいるよ!俺は大丈夫!!」
と良く分からない自信を根拠にコインランドリー経営に乗り出そうとしている方もいるかもしれません。
実際に店舗拡大をしている企業もありますよ。
お昼のロケで主婦向けにコインランドリー特集とか見かけますしね。
そんなニュースを見て鼻息が荒くなってもおかしくはないでしょう。
私が勉強不足で経営判断がザルだった事は否定しません。
しかし、私が信頼したメーカー作成のコインランドリー事業計画もザルだったのです。
「そんなメーカーの事業計画なんか信じるから・・・」
と思われる方もいるでしょうが、「そんなメーカー」は世界でも有名な家電メーカーであり、コインランドリー事業も欧州の方で古くから行っている老舗の企業です。
コインランドリー事業が初めての人間にとっては、その道のプロの話を信じてしまいます。ネットで調べようとしても、あまりコインランドリー経営の実態についての情報が乏しい中なら尚更ではないでしょうか?
この記事では私の事業計画書を公開し、2年間の実績と比較しながらどれだけの乖離があるのかを検証していきます。
その道のプロが作った事業計画書は信頼できるのか?
そもそもプロとは何のプロなのか?最後まで読んでいただければ答えが見えてくるはずです。
Contents
魅力溢れるコインランドリー経営の売上予測とは?
コインランドリー経営でも何の商売でも当然ですが、売上が出なければ成り立ちませんよね。
経験のある業種で始めるなら、ある程度の予測は立つでしょう。
しかし、全く未経験の業種の場合はどうしますか?
その業界のプロの話しか情報が無ければ、それが全てとなってしまいますよね。
私の場合は、コインランドリー経営の知識は全くありませんでしたが、大家としての経験で利回りや初期投資に対してどれくらいの手残りが出るのか、コインランドリーの事業計画書の数字を自分の都合の良い解釈をしてしまいました。
そんな都合の良い解釈をしてしまった売上予測表をお見せします。
如何でしょうか?
とても魅力的だと思いませんか?
初年度こそ利益はあまり出ませんが、常連客の増加と共に年々売上が増えていきます。
2年目からはしっかりと粗利が取れ、借入金が終わる10年後はサラリーマンの平均年収以上を稼いでくれる予定ですwww
これは将来の家賃下落や金利の上昇に不安を感じる大家さんにとっては、良いカウンター材料に見えますね。
実際、自分もそうでした。
また、将来の不安から副業を考えているサラリーマンにとっては、年々利益を出しながら10年後には無借金でサラリーマンの平均年収以上の収入が見込めると言うコインランドリー投資は、20年以上の融資を受けて少しずつ利益を出す不動産賃貸業よりも自由への近道に見えるかもしれません。
私もコインランドリー事業が上手くいけば、不動産からコインランドリーに路線変更しようと考えてましたし・・・
そんな夢物語にも落とし穴があったのです。
今からこの売上予測表の一番重要なポイントをお伝えしますね。
ドォーーン!!!
※上記は売上を保証するものではございません。
なんと何も保証は無かったのです。
表の下にこっそりと書いてありました。
当時の自分がこの表記に気付いていたかどうかは忘れてしまいましたが、気付いていても
保証が無いのは商売なので当たり前。
あくまでも予測だから、この数字を基準に組み立てていけば何とかなるだろう。
と100%の信頼は置いてないにしても、大きく外れる事も無いだろうとタカをくくっていました。
だって世界中にコインランドリー機器を販売して、日本でも実績のあるメーカーの出す数字なんですもの!
しかし、この売上予測は無残にも売上が半分からスタートしてしまうのでした。
おまけの稼働率が想定より上がった場合の試算です。
めっちゃ煽ってきているのが今だと分かりますねwww
稼働率が20%超えって
欧米かっ!!!(怒)
売上の予測と実績を比較。数字の乖離が酷い件。
私のコインランドリー経営1年目と2年目の記事を読んでいただいている方には惨状は伝わっていると思いますが、どれほどの乖離があったのかを分かりやすくする為に表にまとめてみました。
表の作りはメーカー作成の予測表に準じています。
こんな感じになりました。
利益の項目はプラスとマイナスの間の絶対値で出しています。
予測の利益と実際の利益の乖離値を見てください。
この比較表を作成していて、再び気分が悪くなりました。
実際に数字で細かく予測と実績の比較をしていなかったので、自分で言い出した事ですが
ここまで酷いとはっ!!
とびっくりの数字でしたね(怒)
経費に関しては
銀行融資は事業計画が機械と内装の見積もりだったのですが、遠隔管理のシステムを引いたり、調子に乗って内装に動物の切り絵を貼ってみたりで少し初期費用が上がってしまっています。
更にランニングコストは予定オーバー。
だがしかし、家賃は計画当初よりは抑えています。
結果として予定より11%UPしてました。
本来であれば、家賃が計画より下がった分、返済金額をカバーする算段だったのですが、ランニングコストがオーバーした分経費オーバーしていますね。
それよりやっちまっているのが
売上半分問題です!!
詳しくは1年目の記事に書いているのですが、
全ての元凶はここですね。
全ては始まりから終わっていたのです。(意味深)
売上予測の出し方
この全く当てにならない売上予測はどうやって試算しているのでしょうか?
順を追って確認していきましょう。
①商圏エリアの人口を調べる。
まず初めに店舗を中心に半径約1km〜2kmの世帯状況を調べます。
この商圏の範囲はエリアの特性により変わってくるのでご注意下さい。
基本は毎日通っても苦にならない距離ですね。
都市型ですとエリアは狭くなりますし、郊外型なら車で移動する事が多いのでエリアを広く取れます。
人口や世帯の属性は国勢調査のデータから調べられます。
人口数や年齢別の世帯数等を精査して、メーカー独自のノウハウで売上予測が試算出来る様です。
うちは大外れですけどね。
②機械構成を決める
次にこれくらいの人口ならこの機械構成で売上を最大化出来る!と計画します。
この時は人口に対して稼働が最大限に見込める機械台数を設定します。
洗濯機なら衣替えシーズンや年末、乾燥機なら梅雨シーズンと言った感じでしょうね。
これはコインランドリーは稼げる時に機械を稼働させないと機会損失が大きく、売上を伸ばせないからです。
(これは諸説ありますが、メーカーはテナントにブチ込めるだけ機械入れたいだけでは無いかと私は邪推しています。)
③機械構成から売上予測を試算する。
そして下図の様に計画した機械構成に平日、土日の見込みの集客、売上を落とし込んでいくのです。
なんと1ヶ月の売上予測が
798,400円!
こんな数字、今まで達成した事はありません!何故なら
この試算表も保証するものではございません。からです!!
再三言ってますが、洗濯機の稼働は平均1日1回なので、1日の利用回数がかなり盛られていますね。
洗濯機は乾燥機よりも稼働すれば客単価は高いので、1人、2人見積もりが違うだけでも1ヶ月、1年間となれば大きな売上の差異が発生します。
そこに悪意があったか、本当に稼働すると思ったのかは不明ですがコインランドリーの稼働は机上の数字だけでは分からないのです。
当時の私は自分で競合店舗の現地調査もろくにせず、メーカー算出の数字を信じてしまったのが間違いでした。
少なくとも1週間はお店に利用客を装って、市場の洗濯、乾燥ニーズを探るべきでした。
これから開店を考えている人がいれば、必ず自分の足で商圏エリアの競合店の客層やニーズを調査する事をお薦めします。
商圏エリアでピンポイントの調査が難しければ、計画書と同規模のコインランドリーを探して、1週間の人の流れを見てみてください。
計画書通りに洗濯機、乾燥機は稼働しているでしょうか?
しかも調査中の店舗は開店してから何年も経過して常連客を獲得している店舗ですので、最初から同じ稼働をするなんて妄想はしない様にお願いします。
また「コインランドリーの売上の半分は午前中で決まる」と言う言葉があります。
読んで字の如く洗濯する時間帯って午前中の方が多いので、1日の集客は午前中だけで半分、残りの時間でぼちぼち来店という流れがほとんどです。
私のお店でも午前中は賑わっていても、お昼になった途端、お客さんが来なくなることはよくあるので、自分のお客様の行動パターンは掴んでおく必要がありますね。
事業計画書では分からないもの
私の計画書の代表的は資料を公開しましたが、この資料にはコインランドリー経営にとって必ず把握しておかないといけない事が抜けていました。
それは
毎月の売上が大変動する!
という事です。
多分、多少の口頭での説明はあったと記憶していますが、1年目の売上の推移で見たもらった様に
あそこまで大変動するとか聞いてないよぉー!
って悲鳴が毎月の様に発生しています。
そしてその大変動の要因は
雨が重要過ぎる!!
という事もふんわり口頭で雨の日が売上が上がると説明されたくらいですね。
ここまで雨が恋しくなる人生になるとは思ってもいませんでした。
そんな要素をひた隠すかの様に事業計画書では「年間売上」と「月平均売上」しか記載していませんでした。
繁忙期と閑散期の売上の差がどれだけあるのかなんて、多くの店舗を開店させてきた企業なら分かってしかるべきなのに、合計と平均値のみで固定費とランニングコストも計画してきたのです。
売上の変動幅が分かっていれば、売上の下限で損益分岐点を設定する事も出来ました。
そうすれば、繁忙期はしっかりと利益が出ますしね。
しかし、その大変動も常連客が増えてくれば、徐々に安定してくる等というトークであやふやにされたのでした。
売上は相変わらず天の気分次第です。
事業計画書を手にしたら・・・
それでも貴方はコインランドリーを経営する為に、メーカー、業者と連絡を取り、開店まで歩み出そうとするのですね・・
その段階に進んだ貴方に最後のアドバイスです。
業者が事業計画書を提出してきたら
破り捨てましょう!
というのは冗談です。(冗談でもないですが・・・)
まずはその売上予測の根拠をしっかりと詰めてください。
多分、人口に対してこれだけの売上が見込めます・・・とかゴニョゴニョ言うかもしれません。
更に詰めましょう。
「競合店の稼働は〇〇くらいだけど、この売上は厳しいんじゃないの?」
次は機械性能で差別化して、集客出来ます・・・とか言ってくるかもしれません。一回しか言わないのでよく覚えておいてください。
機械性能で客は来ません!!
ついでに新しいとかもそんなに関係ありません。
機械性能で客を奪えるのなら、私の店はエリア最後発なので、顧客全取り出来ているはずですが、出来ていません。
またそのロジックが通るなら、後から参入されたらお客が取られてしまいますよ。
お客さんは家から近くて、車が停めやすくて、そこそこ清潔にしている店舗でいいのです。
わざわざ目の前のコインランドリーをスルーして数キロ先の店舗に洗濯だけしに来る事はないのです。
なので、エリアのマーケティングは重要なのです。
競合店がいれば確実に陣取りゲームになりますので、ギリギリ商圏が重ならない空白地帯が望ましいでしょう。
また全く競合店が無いエリアは可能性を大きく秘めていますが、コインランドリー文化が根付いていない為、認知に時間がかかる場合もあります。
1年目記事でも書いたのですが、この様に自身のマーケティング能力も持っていないと、業者に判断を委ねてしまう為、超上級者向けの事業なのです。
「生殺与奪の権を他人に握らせるな!!」
と言う事でしょうね。
コインランドリー以外にも副業、事業はたくさんあります。
一見楽そうに見えるコインランドリー経営も業者が語らない苦労が多々あるので、今すぐ無理に始めることは無いですよ。
更に事業計画書を詰めてみる
それでもコインランドリー投資を勧めて来る場合は
売上保証の話をしてみてはどうでしょうか?
コインランドリーの売上は天気次第なので保証する事が難しいです。
なので、資料の何処かに同様の文言が記載されている筈です。
無ければ後々ゴネる材料になりそうですが・・・
自信の事業計画であれば、売上にも自信を持ってくれなければ話になりませんからね。
何%まで売上保証をしてくれるのかで本気度が計れるかもしれません。
コインランドリーのプロは何のプロ?
メーカーの営業マンは機械を売るプロです。
業者さんも機械や付属品を販売して利鞘を得るプロです。
仕事の対価として支払うので、利益を得るのは当然ですが、過剰に報酬を支払う事の無いようにしましょう。
営業マンでもコインランドリー経営を全く同じ条件で始めて成功している人では無いかもしれません。
その営業マンはコインランドリー経営のプロでは無いのです。
私も利益を出せていないのでプロと呼ぶにはおこがましいですね。
不動産屋に投げかける質問みたいな話になってしまいましたが、不動産業界よりもブラックボックスに包まれていると私は考えています。
もし貴方がコインランドリーを経営したいと言うのであれば、話を聞くべきはメーカー、業者ではなく、コインランドリーを経営しているオーナーです。
幸い、コインランドリーの店舗は筍の様に乱立してきているので、数件近所の店舗に突撃していけばオーナーと連絡が取れるでしょう。
コインランドリーはコンビニのFC問題にも似た雰囲気がありますね。
高額な初期投資により、身動きが取れなくなってしまう状況です。
コインランドリー経営も上手く軌道に乗れば良いですが、手放そうとなると相当苦労します。
私がコインランドリーを手放そうとした話をいつかお伝えしますね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
このブログでは、ネットでもあまり見かけない詳細なコインランドリー投資の失敗談を私の経験から独断と偏見でお伝えしていきます。
私のコインランドリー経営は赤字ですが、コインランドリー経営の全てが悪いという訳ではありません。
中には、綿密に事業計画を立てて、利益をちゃんと上げている企業や経営者は沢山います。
このブログは「コインランドリー投資を私と同じ様な内容で失敗する人を減らしたい」という想いで情報発信していきますので
この情報が役に立ったと感じていただけたら、是非拡散をお願い致します。
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